概要
PSIMコンソーシアムとは
法実務技能教育教材研究開発コンソーシアム(通称 PSIMコンソーシアム)は法科大学院間で模擬裁判やロイヤリングなどの法実務技能教育の教材を共同で開発し利用するとともに、教育人材の養成プログラムや教育方法論の開発を推進するために、全国から多数の法科大学院が参加している組織です。近年では、韓国および中国など国外の法科大学院もオブザーバーとして参加しています。
結成の経緯
2004年に法科大学院(いわゆるロースクール)が創設され、従来の法学教育にはなかった面接、尋問、交渉などの専門技能に関する新たな実務技能科目が登場しました。しかし、これらは、従来の法学部における教育ではほとんど行われてこなかった未開の領域であるために、教育教材、教育方法論、教育人材の全ての面において蓄積がありませんでした。そこで、名古屋大学が主幹校となって、文部科学省の支援の下で「実務技能教育教材共同開発プロジェクト」(通称、PSIMプロジェクト)を立ち上げ、2006年度まで活動してきました。このプロジェクトの成果を踏まえて、2007年度からは各大学間の協定による組織体に形を変えて、新たに「PSIMコンソーシアム」を組織し、活動を継続することとしました。
目的
PSIMコンソーシアムでは、インターネット上で参加校を結ぶネットワークであるPSIM Webを形成し、以下の活動を通じて理論と実務の架け橋となる教育を実践し、コミュニケーション能力のある人材の養成を支援しています。
- 模擬裁判やロイヤリングなどの実務技能教育教材の開発・提供
- 実務技能教育の教育方法論の開発
- 実務技能教育の教育者養成プログラムの開発
組織
展開
PSIMコンソーシアムは参加校の経験等の集約や連携した活動のみならず、海外諸機関との学術交流に努めてきました。アメリカ合衆国のNITAとは学術交流協定を結び、またオブザーバー校として海外5校の参加を得ています。その他にも、ウィスコンシン州立大学、UCLA、ハワイ大学、ペパーダイン大学や、オーストリアのリンツ大学、シンガポール大学などと交流によって、実務技能教育のあり方や教材作成について相互の情報交換を行っています。